「方言の時代 / 別役実」テスト予想問題
はじめに

別役実「方言の時代」のテストの過去問や予想問題を紹介していきます。本文は解答に必要な部分のみ掲載していきます。「内容説明問題の解き方」を読んでおくと理解がスムーズです。テストまで時間がない人は答えだけ暗記するのもいいでしょう。

「同様のこと」に関する問題

一時期、各国の公共放送が公用語での全国放送を開始した場合、地域ごとの方言が、一段と濃くなった、という事例が社会学者によって報告されたことがあった。そしてそれは、各地域がそれぞれ無意識に内包しつつあった「文化」(もしくはその前段階のもの)に対する、自己防衛本能のたまものであったろうと言われているのだが、今日の我が国の方言演劇にも、同様のことが言えるに違いない。

問:「同様のこと」とあるがこれはどのようなことをいっているのか。

ヒント(タップすると出ます)
公用語の広がりに対して、具体的に方言はどうなったのでしょうか。そして、それはなんのために起こったと筆者は考えているのでしょうか。
答え(タップすると出ます)
公用語の広がりに対し、各地域が無意識に内包していた文化を守るために、本能的に方言を使うようになったということ。
「ありきたりの線上の堂々巡り」に関する問題

そこで採り上げる問題は似ていたとしても、こちらでは著名なコメンテーターが公用語でそれを話し、それらしい解答を出すことになっているからである。ただし、ヴァレリーが「人間は、答えのわかっている問いしか問うことが出来ない。」と言っているように、そこでの「問いと答え」は、ありきたりの線上の堂々めぐりに過ぎない。

問:「ありきたりの線上の堂々めぐり」とあるが、どういうことか説明しなさい。

ヒント(タップすると出ます)
「堂々めぐり」とは同じことがくりかえされることです。どういったやりとりが繰り返されるといっているのでしょうか。
答え(タップすると出ます)
答えのわかっている問いに対して、それらしい解答を出すということがくり返されること。
「結構なことに違いない」に関する問題

何はともあれ今日、我々の内に「公用語による普遍化」に対する用心深さが芽生え、方言が復活しつつあり、その「肉声をやりとりする現場」を必要としはじめた、ということは、結構なことに違いない。現在、世界は混沌としている。各地で起きている事象に対して、何事かを発言しようとしても、どの立場でどのようなことを言うべきか、よくわからない。勢い、周辺に目を向けて局部対応をせざるを得なくなりつつあるのであるが、その「局部」の感覚の手がかりになるのが、方言ではないかと、私は考えている。

問:「結構なことに違いない」とあるが、どういうことか説明しなさい。

ヒント(タップすると出ます)
「現在、〜」以下に「結構なこと(良いと思っている)」の理由が書かれています。「局部」とは「ある一部分」という意味です。
答え(タップすると出ます)
方言は混沌とした世界の中でどの部分に目を向けて対応すべきかを感じ取る手がかりになるから。
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