夏目漱石「こころ」のテストの過去問や予想問題を紹介していきます。本文は解答に必要な部分のみ掲載していきます。「内容説明問題の解き方」を読んでおくと理解がスムーズです。テストまで時間がない人は答えだけ暗記するのもいいでしょう。
問 この小説は1914年に新聞で連載されたものです。これは何時代ですか。
問 この小説は登場人物である「私」が誰のことを思い出して書いたものですか。
問 先生は同郷の友人が困っているのを助けるため、自分が恋しているお嬢さんがいる下宿にその友人を住ませました。その友人の名前は何ですか。
だから驚いたのです。彼の重々しい口から、彼のお嬢さんに対する切ない恋を打ち明けられた時の私を想像してみて下さい。私は彼の魔法棒のために一度に化石されたようなものです。口をもぐもぐさせる働きさえ、私にはなくなってしまったのです。
その時の私は恐ろしさの塊りといいましょうか、または苦しさの塊りといいましょうか、何しろ一つの塊りでした。石か鉄のように頭から足の先までが急に固くなったのです。呼吸をする弾力性さえ失われたくらいに堅くなったのです。問:「私は彼の魔法棒のために一度に化石されたようなものです」とあるが、どういうことか説明しなさい。
Kが理想と現実の間に彷徨してふらふらしているのを発見した私は、ただ一打ちで彼を倒すことができるだろうという点にばかり目をつけました。
問:「理想と現実」とあるが、それぞれどういうことか。
私は突然「奥さん、御嬢(おじょう)さんを私に下さい」といいました。奥さんは私の予期してかかったほど驚ろいた様子も見せませんでしたが、それでも少時(しばらく)返事が出来なかったものと見えて、黙って私の顔を眺めていました。一度いい出した私は、いくら顔を見られても、それに頓着(とんじゃく)などはしていられません。「下さい、是非下さい」といいました。「私の妻として是非下さい」といいました。
問:「下さい、是非下さい」とあるが、このときの「私」の気持ちを答えよ。
私はまたああしまったと思いました。もう取り返しがつかないという黒い光が、私の未来を貫いて、一瞬間に私の前に横たわる全生涯をものすごく照らしました。そうして私はがたがたと震えだしたのです。
問:「そうして私はがたがたと震えだしたのです。」とあるが、このときの「私」の気持ちを答えなさい。