国語の入試問題で出題される本には共通点があります。それは
①作問しやすい作家であること。
指示語とその関係がはっきりしていたり、良い比喩表現が使われていたり、出題者側が問題を作りやすい作家は決まっています。
②新しい本であること
いくら良い本でも過去に他校が出題していれば使うことはできません。したがって比較的新しい本から出題される傾向があります。
③まとまった文字数であること
文字数が短かすぎたり、長すぎたりするものは出題できません。受験生に応じた適切な文字数である必要があります。以上の3点を踏まえて、最新のおすすめ本を紹介します。
つきのふね / 森絵都
親友との喧嘩や不良グループとの確執。中学二年のさくらの毎日は憂鬱。ある日人類を救う宇宙船を開発中の不思議な男性、智さんと出会い事件に巻き込まれる。揺れる少女の想いを描く、直球青春ストーリー!青春小説は中学入試で頻出。ぜひ読んでおきたいですね。
翼の翼 / 朝比奈あすか
専業主婦、有泉円佳の息子、翼は、小学二年生で中学受験に挑戦することになる。有名私立の中高一貫校を受験した経験のある夫真治と、それを導いた義父母。中学受験にまったく縁のなかった円佳は、塾に、ライバルに、保護者たちに振り回され、世間の噂に、家族に、そして自分自身のプライドに絡め取られていく。入試問題頻出作家が、過熱する親の心情を余すところなく描いた、凄まじき家族小説。2021年に発表された今作。要注目ですね!
空は逃げない / まはら三桃
藤倫太郎と佐藤林太郎。ふたりは同じ大学陸上部の棒高跳びの選手。周囲からは紛らわしいことこの上ないため、しだいにA太郎、B太郎と呼ばれるようになっていた。
かたや平凡な記録保持者、かたや全国レベルの花形選手のふたりの前に、練習風景を熱心にスケッチしていた芸術学部の女子・石井絵怜奈が、突然、自分も棒高跳びの選手になりたいと志願した。
そんな3人の前に、ある日大きな転機が訪れる――。大学時代と数年後の現在、ふたつの時代を往還しながら、物語は、次第に思いもよらぬ場所へと読み手を誘う。